劇作家・飯沢匡と美術家・土方重巳のコンビによる、日本の誇る人形絵本。戦後から昭和40年代頃にかけて、様々な作品を生み出し子どもたちを楽しませました。こちらは「トツパンの人形絵本」と並んで人気を博した「マイニチの人形絵本」の一冊です。子犬のブッチが元気よく駆け回り、豚やアヒル、ひつじや馬に話しかけ様々なことを教わります。その牧歌的な愛らしさ、のんびりした穏やかさは、あの時代ならではの空気をまといページをくるごとに癒されます。人間は出てきませんが、動物の造形や背景や小道具のセンスに至るまで、飯沢・土方コンビの妙が存分に楽しめる名作です。経年によるくたびれはみられますが、特に目立つ難はなく、ボード絵本の古書として非常にきれいな状態かと思われます。