造形作家・新宮晋。風を受け運動する巨大な作品や、生物をテーマにした絵本、彼の眼差しには自然への尊敬が溢れていました。前作『ちいさなふしぎな森』に続いて刊行されたこちらの仕掛け絵本では、「風」をテーマに美しい自然を駆け抜けます。花畑、森、牧場、砂漠、帆船、海、鳥、雪原、夜、優しく、ときに激しく吹く風が見事に表現されています。仕掛けの滑らかさ、細かさ、美しく驚きに溢れた、世界がこの本の中に内包されたような、一陣の風のように爽やかな一冊です。いろいろな角度から眺めてみてください。その度、新しい発見があります。