ロル主宰・甲斐みのりさんの初めての著書にして異色の京都案内本がこのたび文庫化されました。「12ヶ月の憧れ案内」と副題にあるように、これは、京都暮しの経験もある甲斐さんからの京都へのラブレター。どこに行ってどこで食べてどこを見て何を感じて…。京都のどの場所どの情景においても、甲斐さんならではの感性で語られるモノや味へのこだわりには、その独自の京都愛が満ちています。あいまに挟まれるコラムや綿密な取材によるしっかりとしたお店情報などにもその情熱が垣間見え、昨日今日の京都ファンではないこの人ならではの、そして唯一無二の京都の風景が感じられる名著。情報もしっかりとしながら単なるガイドブックでは味わえない読み応えも兼ね備えた、京都人から見ても嬉しい一冊です。初出は2005年刊行、その頃から見て京の街も少し変わったところもあるかもしれませんが、それらも含めた甲斐みのりによる京都案内としてお楽しみください。