雑誌「つるとはな」から本が出版されました。こちらの本では須賀敦子が友人に送った55通の直筆の手紙がまとめられています。全ての手紙がカラーで掲載されているため、青いインクで綴られた筆跡がしっかりとお楽しみいただけることでしょう。文字が読みづらいものは活字におこされています。
端正な文体で綴られる素晴らしいエッセイを残し、イタリア現代文学の翻訳を数多く手掛けた須賀敦子。夫との死別をきっかけに日本へ帰国し、その時に出会った友人たちと22年にわたって交わされた手紙の数々。結婚式の招待状への返事ひとつでさえ面白く読めてしまうあたりはさすがとしかいいようがありません。私的な手紙から彼女の素顔が浮き上がってきます。