レコードで音楽を聞きながら、絵本をめくり、耳と目で子どもに物語を楽しんでもらうシリーズ「こども音楽館」の一冊です。こちらは「ヘンゼルとグレーテル」。森に捨てられた兄妹、魔女、お菓子の家など、おなじみの童話の世界が繰り広げられますが、なんといっても素晴らしいのは、伊坂芳太郎の絵。ちょっと怖いグリム童話の世界を更に恐ろしく妖しく美しく描いたページは、一見の価値あり。元々は付属だったレコードは今回はつきませんが、絵本本体だけでも十分楽しめる魅力がいっぱいです。ちなみに伊坂氏はこの仕事が初の童話作品だったとのこと。よりいっそう貴重な本書です。特に目立つダメージはなく、古書として標準的な状態です。