小冊子『murren』編者・発行人の若菜晃子による、『街と山のあいだ』に続く二作目の随筆集。彼女の旅は、特別な目的を持つわけでも、観光名所を巡るわけでもありません。ただその国の人も行かないような地方を訪れ、自然の中に入り込み、小さな町に滞在する。そこに生きる人々と同じようにパンを買い、坂道を歩き、夜中に横たわって吹く風の音を聞く。等身大の言葉で綴られる旅の断片は、淡々として静かに、そして同じ街角に立っているかのようにいきいきと感じられます。時折挿まれる旅のスケッチも美しい。
旅の夜、メキシコ断簡、海の旅、英国、裏庭の冒険、地中海の島キプロス、土産ばなし、インドのおじさん、サハリン点描、インドネシア・スマトラの雨、花のスリランカ… 諸外国を旅する中で得た思索や忘れがたい体験を綴った、全64篇を収録。

商品情報
著者	若菜晃子
発行	アノニマ・スタジオ
その他	118mm × 172mm / 320P / ハードカバー