誰か、愛によって押し流され、その不足の感情を経験したことはありませんか? それに対して、世界が突如、無限に開くことを感じたことはありませんか? ……私たちにとって唯一重要なのは、突如、物狂おしさの形象を取ることなのです。 ──アニー・ル・ブラン
60余年前の澁澤龍彦訳を一新、新たにアニー・ル・ブランの魅惑的な序文を付し、既訳では分かりにくかった観点を新鮮な刺激をもって照射しています。アニー・ル・ブランは、2014年、サド没後200年を期して開催された、パリのオルセー美術館での大規模なサド展を企画、監修し、デスノスの本作を同展の重要な視座としました。閨房に哲学を置いた天底のサドと、狂おしい愛に白熱する天頂のデスノスが重なり合う、想念のダイナミズム。愛とポエジーとエロティシズムの真相を、闇の底から浮かび上がらせた貴重な一冊です。 ──エディション・イレーヌを主宰する松本完治氏からのメッセージ
1900年パリ生まれの詩人、シュルレアリストのロベール・デスノスが、弱冠23歳で書き上げた究極のエロティシズム概論。アニー・ル・ブランの序文と、松本完治氏による後跋を交え、ポエジーに満ち溢れたエロティシズム論が展開します。鮮烈で美しい造本設計は佐野裕哉氏によるもの。
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