デンマーク生まれのイラストレーター、カイ・ニールセンによる、ノルウェー民話「太陽の東・月の西」(1914年)の邦訳版。物語にそって描かれた美麗で幻惑的なイラストレーションの数々をカラーグラビアで再現し、本文も図版を豊富にまじえながら紹介。当時新書館で活躍した詩人・岸田理生による訳文も美しく、三段組みやカラー文字、見返し部分など優美なエッセンスが随所に活かされたデザインも見事です。全編ため息の出るような優美さをたたえた70年代の新書館らしい一冊。装丁には宇野亜喜良。ダストジャケットの袖には宇野亜喜良と荒俣宏による推薦文も掲載。特に大きな難はなく、古書として標準的な状態です。