商品名小山さんノート

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税込 2,640
(税抜¥2,400

商品番号 b_lad0101

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平三、一月五日、五時より五時間 とまらぬ文字。
平成三年も無事に迎えることができた。
こんな自由な身になったのは初めてであり、昨年の魔のような一年、早く過ぎ去ってくれればと思う。
緊迫して生き、無理な労働に右うでがもぎとられるように痛い。迎えてみなければわからない。
十三年ぶりの東京での正月、静かでおだやかな事由を感ずる。
(「1991年1月5日」より)

日が沈むのを待ち、コーヒー券十一枚、千八百円、大事に保った福沢諭吉とさよならをする。
タバコ五箱、今日、食べものもらいもタバコ拾いもしたくない。ケチケチしないで、スパスパ新しいタバコを吸ってみよう。百本も吸えるだろうか。
(「2001年3月9日」より)

都内の公園内にあるテント村で暮らしつづけていた「小山さん」と呼ばれたホームレスの女性。本書は彼女が遺した80冊にも及ぶノートを有志が文字に起こし、抜粋し、データ化を経て書籍化したもの。
安堵と不安、生活と暴力、困惑と喜びと嘆息。些細な光を追い、大声で歌い、罵倒されるかなしみに暮れ、路上で見つけた良いものを大切に拾い上げる。喫茶店でノートを広げ、手にした筆先から生まれる小山さんだけの時間。そのシェルターの中で彼女がしたためた、ことばや文字でしか表せない僅かな希望と現実を生き抜くための空想。テント生活者の大半を男性が占め、女性としての役割を強要されるなか彼女が目にし、感じたこと。たしかに生きていた、生きようとしていたひとりの生の記録。(韓)
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商品情報
編者小山さんノートワークショップ
出版エトセトラブックス
サイズ135mm × 193mm
その他288P / ソフトカバー

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