Irma Boomの美しい装丁とそのボリュームが注目を集めた作品集「WEAVING AS METAPHOR」の著者、シェイラ・ヒックス（Sheila Hicks）の新たな作品集。繊維とテキスタイルを扱う代表的なアーティストである彼女の、初の大規模回顧展に際し刊行されたもの。
展示は2022年4月から9月にかけ、イギリス西ヨークシャー州「ヘップワース・ウェイクフィールド（Hepworth Wakefield）」で開催されました。1950年代頃に制作した初期の作品から、建築作品に対応したサイトスペシフィックなインスタレーション作品まで約70点以上の作品が展示され、展示風景写真、作品図版、作者のスケッチブックや写真など豊富なアーカイブ資料を掲載。
この展覧会では、常にアート、建築、デザインの境界に挑戦するヒックスの作品における素材、かたち、プロセスの多様性を見つめました。彼女が自分の人生と創作キャリアの中で、慣例や伝統に背き、独自の道を進んできた様々な手法を思い起こさせる内容であり、また彼女が世界中を旅してテキスタイルに関する知識を深め、自身の作品を革新してきた並々ならぬ好奇心を暗示するものでもあります。

本書は、ヘップワース・ウェイクフィールドのチーフ・キュレーターを務めるアンドリュー・ボナチーナ（Andrew Bonacina）、同館のアシスタント・キュレーターを務めるアビー・シャピロ（Abi Shapiro）、コートールド美術研究所の美術史教授であるジョー・アップリン（Jo Applin）、アートライター兼美術批評家のジェニファー・ヒッギー（Jennifer Higgie）、チャールズ・ダーウェント（Charles Darwent）によるエッセイのほか、作者とデイビッド・チッパーフィールドによる対談も収録。