百万遍、紫野、イノダコーヒ三条支店といった具体的な場所や店の名前を出しながら、作家・吉田篤弘が京都を歩き、考えたことを綴った書き下ろしエッセイ。路地裏の隅々まで京都の街を闊歩し、時折、古本屋やレコード屋、古道具屋、喫茶店を停留所にして、時間、本、街のことを思い、考えに耽る。その姿はこれまでの作品に登場したキャラクター達の背中と重なります。たしかに京都を扱った本でありながら、読む者の数だけその姿を変える、特別で、普遍的な魅力を持った、繰り返し読みたい一冊です。
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