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マリブの海辺にある父の家で、僕と父の新しい生活が始まった。父は僕に、僕自身についての小説を書くように言った。僕は海を、月を、太陽を、船を知ってはいるけれど、僕自身や世界をほんとうに理解するためにはどうすればいいんだろう——10歳の少年ピートは父親との時に厳しく、時にさわやかな会話を通じて、生きることの意味を学んでゆく。名匠が息子に捧げた心あたたまる詩的小説。
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ウィリアム・サローヤン著、伊丹十三翻訳による不朽の名作が、この度新装版として復刊される運びとなりました。
父との暮らしの中で、少年ピートは世界を、自分自身を、生きることとはなにかを学んでいきます。二人を取り巻く世界にあるのは特別なものではなく、日常のごく身近なものたちと、ゆったりとした時の中で進んでいく言葉のやり取り。「原文の人称代名詞を可能な限り省略しない」という伊丹十三の訳によって、親子でありながら同時に一人の人間としてでもある絶妙な距離感がいっそう際立ちます。
復刊を手掛けたのは『微花 1. / 春 第二版』の石躍凌摩と西田有輝。これまで多くの人々に深く愛されながら絶版となって久しい本書復刊のため、庭師を本業としながら出版社として再び歩みはじめました。お二人にとってオールタイムベストでありバイブル、そして『微花』製作時にも影響を与えたという『パパ・ユーア クレイジー』。
すでに読んだことのある方にも、はじめての方にも手にとっていただきたい一冊。既刊デザインを踏襲しつつ、長くご愛読いただけるハードカバーの美しい装丁でお届けします。(岡本)
●微花より - 装丁・表紙について
この小説は、1979年にブロンズ新社から発行されて以来、多くの人にとって、一度読んで終わりではなく、繰り返し何度も読まれる物語であり続けてきました。そのため、この度の新装復刻版では、これまで刊行されてきた三冊のソフトカバー版のデザインをそれぞれ踏襲しつつ、ハードカバーへと一新。
この小説を題材にして、写真家・西山勲さんが彼の父親を撮影した写真集『Papa, You're Crazy クジラと天体、父の島』の最後に収められた海の写真が、奇しくも既刊の表紙の絵のオマージュとなっていたため、これを採用しました。
著者:ウィリアム・サローヤン
訳:伊丹十三
発行:微花
サイズ:文庫版
その他:210p / 上製本