一本の汽車が、沢山の乗客を乗せて広い大地を走っています。星柄の手ぬぐいで汗を拭くホッキョクグマ、水玉の長靴をはいたイリオモテヤマネコ、卵を大事に抱えたオオウミガラスの夫婦、それから「きょうは みごとな つきね。とおぼえしたくなっちゃうわ」というのはおおかみの奥さんたち。車内はぎゅうぎゅう、とってもにぎやかな車内を、ひとりの男の子が歩いています。
しばらくすると、汽車が停車しました。
「わたしの なまえは モーリシャスドードーと いいます。/どうか おげんきで」駅には「1681」と書かれています。その後も汽車が停車するたびに、動物たちは降りて行ってしまうのでした……。
森洋子さんならではのタッチで描き込まれた、物悲しくも美しい物語。駅の数字が表すものに気が付くと、もう一度ページをめくりなおさずにはいられません。星々を照らす月明かりはしかしあたかかく、希望さえ感じさせます。それから動物たちの表情の豊かなこと。汽車を見送る動物、席に座って窓の外を眺める動物、それぞれの目に映る景色にそっと思いを巡らせます……。(藤林)
著者:森 洋子
発行:福音館書店
サイズ:270mm × 190mm
その他:48p / 上製本