画家・絵本作家のミロコマチコさんが、4ひきのねこたちと奄美大島へ移住してからの暮らしを綴ったWEB連載が書籍になりました。移住前に訪れた僅か二泊三日の滞在中、行く先々で島人(しまっちゅ)たちからバナナ約100本、バンシロウ(グァバのこと)15個をもらったエピソード「南の島でのもらいもの」から始まり、家づくりや巨大台風、夜中までつづくお祭り、子どもたちとのワークショップなどなど……。おおらかでパワフルな島の自然や人々と交流を経て、著者が島まみれになっていく様子にふふふと笑いつつも、同じ日本にいるのに遠い国の話のようで、どうしようもなく思いを馳せてしまいます。胸いっぱいに空気を吸い込んで、流れ過ぎる時間やその他様々なものをページをめくる手で手繰り寄せるような感触がありました。
34篇の「イラスト&エッセイ」と、描き下ろしイラストと53点の写真を収録した、読みごたえたっぷりの一冊です。(藤林)
著者:ミロコマチコ
出版社:ブロンズ新社
サイズ:148×210mm
その他:224P、ソフトカバー