わたしが存在していることを、味方してくれるような場所に出会えた。ずいぶん傷ついてきたけれど、その道の先に今の自分がいるのなら、抱えてきた苦しみも、いつか過去のものになる気がする。(「ひとりになること」より)
植本一子さんによる、あなたとわたしの現在地をみつめるエッセイシリーズ「わたしの現在地」第2段。本作では、植本さんが遠野に通い、馬たちとともに過ごした時間の中で、自身の内面を見つめた記録が綴られています。
肩書きや役割から離れ、何者でもない自分として、人や馬と関わること。ただここにいて良いのだと思える場所との出会い。変化していく自分の輪郭を確かめながら、前へ進でいく。
植本さんのまなざしを通して、新たな風景に出会えることが嬉しい。
「自分自身で生きる」とは、どんなことだろう。
その問いは、この本を手に取る一人ひとりの前にも、きっと立ち現れるはずです。(嶋本)
著者:植本一子
寄稿 徳吉英一郎
サイズ:B6変形判
その他:168p / ソフトカバー