ニットデザイナー・三國万里子さんがこよなく愛する人形たちの物語。東京・善福寺に建つ「三國寮」を舞台に、人形扮する5名の寮生たちとコック、そして寮母である「まりこ」さんこと三國さんが織りなす日々を収めた一冊が届きました。寮母手製の服とヴィンテージ家具に囲まれて過ごす彼女たちの暮らしを、写真とともにささやかな言葉が彩ります。
レースやニット、ワンピース、スカーフ、アクセサリーから靴、それからバッグにおふとんと、使い古しのハンカチや古着、フェルトやビーズなど三國さんが愛してやまない素材から、愛情を惜しみなく注いで作った一点ものの数々。彼女がこれまでに買い集めたという、海外ヴィンテージのミニチュア家具や雑貨もまた、人形たちの暮らしを生き生きとした物語として見せてくれます。幼いころの思い出や人形との出会い、大人になってからこその愉しみ方など季節の狭間にはエッセイも添えて。ページを捲ればたちまち童心に帰る、ものづくりへの愛の詰まった一冊です。(岡本)
著者:三國万里子
発行:トゥーヴァージンズ
サイズ:A5判
その他:160p / ハードカバー