-あなたたちは、鬱で苦しむ僕のことを一度も変な目で見たり、文句を言ったりせず、心配してくれて、そして、いつかは必ず元気になって戻ってくると心から信じてくれて、ありがとう。
自身のルーツ、病気のこと、日々の暮らし、自身を信じ支えてくれる家族の助けと想像。
坂口さんが西日本新聞で2023年8月15日から10月27日まで連載していたエッセイにあとがきを加え”palmbooks”の手により1冊になりました。
長年共にする躁鬱病、苦しみながらも耐え生き延びていく過程は、自らの治癒力を高める手段のよう。クリエイティブという、広大なフィールドで見つける叡智と、知れば知るほど未知と出会い広がる裾野の中で、縦横無尽に生きる”坂口恭平”というひとり、その家族の生き方の、等身大の日常。
”苦しい時は電話して”
死にたくなってしまった人のため、電話を受けるサービス「いのっちの電話」は2024年現在で、12年続く活動。
困ってたら助けたらいいじゃん、と軽い気持ちでやっている。と坂口さんは語る。
苦しんでいる人に自身の持ち物を差し出すことは、実に自然なことで、そして坂口さんもまた、周り人から差し出してもらっている側に立つことで様々な循環をうむ、日々の助けの尊さ綴った1冊。
(原口)