かわいい見た目に素朴な甘味。季節を告げる暦のように、その時々を味に形に表現する和菓子。本来そんな暮らしに寄り添ったものなのに、流派や決まり事などちょっと格式が高そう・・・と感じてしまうこともあったかもしれません。普段カフェで飲み物と洋菓子をいただくように、甘い物が食べたくなったらパティスリーに行くように、もっと和菓子も気軽に身近に愉しめたらとの思いから、かつて和菓子に魅了されその世界に飛び込み、和菓子創作ユニット「日菓」としても活動してきた著者が、魅力たっぷりに案内する本書。
一部は「ながめて、愛でて、味わう工夫」と題し、和菓子の基本的なことを少し、五感を使った味わい方、意匠の妙、和菓子まわりの器や飲み物とのペアリングのアイデアなど楽しみ方のヒントをふんだんなビジュアルで紹介。二部は「新しい和菓子」と題して老舗の新しい展開やコラボレーション、個人作家のつくる和菓子など。和菓子の歴史と伝統から和菓子の「今」も感じられる一冊です。自分でも作りたくなったら挑戦したい、上生菓子や羊羹のレシピも。