ニューヨークを拠点に活動するフランス人編集者・クリストファー・ニケ(Christopher Niquet)によるファッション&カルチャー誌。毎号一人のアーティストに焦点を当て紹介する本誌の第3号は、フランス人フォトグラファー、ロマン・ラプラード(Romain Laprade)特集。パリのギャラリー「イヴォン・ランベール(Yvon Lambert)」で開催される展覧会に伴い刊行され、およそ100ページにわたりセネガルの首都ダカールの街を魅せる一冊となっています。
クリストファー・ニケは、 ロマン・ラプラードが創り出す構成的でありながらも伸びやかな作品に対し、長らく心を惹かれていました。2人はダカールの特定の建築物をプロジェクトのテーマに決め、2022年夏、ラプラードはダカールに数日間滞在。自身が拠点とするパリにいる間に選んだ場所をまずは散策し、徐々に直感に従い自分の足で街の魅力を掘り下げていき、何日もかけて建築物を撮影していきました。その結果生まれたイメージは、建築的な奇跡と驚きに満ちた場所への静寂なオマージュとなりました。本号において作者は、建物や個人邸宅のファサードなど、西アフリカの大都市が持つ折衷的な美しさを捉え、常に進化し続ける街を情緒的かつ抽象的なポートレイトとして描いています。
他、パリを拠点として活動するファッション/ポートレイトフォトグラファーであるジュリアン・マルティネス・ルクレール(Julien Martinez Leclerc)と、スタイリストでありファッションエディターのシャーロット・コレット(Charlotte Collet)が、セネガル系ディアスポラ出身のパリジャン達にスポットを当て、36ページのファッション・ストーリーをモノクロ写真で写し出しています。
今回のアートディレクションを手掛けたのは、『Self Service』の編集長エズラ・ペトロニオ(Ezra Petronio)率いるクリエイティブエージェンシー「Petronio Associates」。ファッション、アート、本を愛する人たちのコレクターズアイテムとして毎号異なるデザインで企画されています。