雨ふりでも、晴れていても、それが人生のどんな時期であろうと、
その場所は誰かにとってのシェルターになりうる。
無理に肯定しなくとも、大事なことを伝えなくとも、お茶を飲み、
少し言葉を交わすだけで、人はまたどしゃ降りの雨のなかを歩いていけるのだ。
(本文より)
盛岡の書店「BOOKNERD」店主・早坂大輔さんによる、盛岡の喫茶店にまつわるちいさなエッセイ集。
今となっては街の一面に立ち、どこかを向けば目に入る喫茶店・カフェという場所。みなさんはどんな日に、どんな気分の日に、何を携え、どんな人と足を運ぶのでしょう。
早坂さんのお気に入りの喫茶店7店舗とプラスαにまつわる、記憶と情の清い眼差しとが混ざり合う心地よい文章で綴られたエピソードと随筆を収録。巻末には企画「WHAT ARE YOU DOING THIS WEEKEND AT MORIOKA?」と、コーヒーブレイクに聴くべきレコードガイド「COFFEE BREAK:28HOURS」も併載。愛すべき喫茶店を紹介するガイドブックでもなく、コーヒーやその店にあるメニューの味を語るグルメ本でもない。盛岡という街に根ざす、喫茶店という場所へのたしかな思いを寄せた一冊です。
(韓)