ねむれないおまえのためにできるのは灯りをひとつひとつ消すこと
燃えない、と書けば燃えない紙になる。きみはそういうことができる子。
食う者と食われる者をはっきりと隔てるために箸は置かれる
詩の神に所在を問えばねむそうに答えるAll around you
歌人・木下龍也さんによる第三歌集。一首一首がお守りのようでもあり、夜明けに眺めるしずかな水流のようでもあり、部屋の中でずっとそこにありつづける灯りのようでもある。ひとりで言葉を紡ぎ、何度も噛み締め、横に並べていった文はいずれ縦になる。真っ直ぐ身体の奥に響いてくる、どこか近くにあるような温度をも感じさせる短歌123首を収録。別栞として詩人・谷川俊太郎さんとの対談(抄録)が付属されています。
※カバーの色はご指定いただけません。何卒ご了承ください。