わけもなく家出したくてたまらない 一人暮らしの部屋にいるのに
ツイッター「フォローさせる」は選べない 愛を強要できないなんて
私には才能がある気がします それは勇気のようなものです
ニュースにはならない日にも虹は出て消えて私がおぼえています
さようなら さようなら また会いましょう また別れたら また会いましょう
-収録歌より-
口語調の短歌で時代の空気を捉え、短歌ブームに火をつけた立役者、枡野浩一さん。デビュー25周年を記念して、枡野浩一の全短歌集『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』が待望の刊行です。※巻末には全著作一覧、特別栞として、俵万智と枡野浩一の往復書簡も収録。
枡野浩一(マスノ・コウイチ)
1968年9月23日、東京うまれ。歌人。大学中退後、広告会社のコピーライター、フリーの雑誌ライター等を経て1997年9月23日、短歌絵本『てのりくじら』『ドレミふぁんくしょんドロップ』を2冊同時発売してデビュー。簡単な現代語だけで読者が感嘆してしまうような表現をめざす「かんたん短歌」を提唱。入門書『かんたん短歌の作り方』からは加藤千恵、佐藤真由美、天野慶らがデビューした。笹井宏之、宇都宮敦、仁尾智らの短歌をちりばめた小説『ショートソング』(佐々木あらら企画執筆協力)は約10万部のヒットとなり、若い世代の短歌ブームを牽引。高校国語教科書に《毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである》他掲載。受賞歴は2011年11月22日、明石家さんまが選ぶ「踊る!ヒット賞!!」および2022年3月19日、小沢健二とスチャダラパーが選ぶ「今夜は短歌で賞」。-左右社HPより-
(原口)