「こんな虚飾(うそっぱち)の世界 ふたりでひっかきまわして 逃げちゃおうぜ」
「あばよ」って?
唯一無二にして伝説の少女漫画家、岡田あーみん。デビュー作であり代表作『お父さんは心配性』はあまりにも有名です。
本作は1993年〜1995年まで『りぼん』にて連載されていたラブ・コメディー。
またこちらのセットは復刊リクエストが多数寄せられていたコミックス未収録作品を3巻合計で140ページ以上も収録し、2015年に復刊新装版として刊行されたものです。
「ルナティック」とは、狂気を表す語句。ヨーロッパ圏内で月が人を狂わせるとされたことに由来されたそう。
主人公である星野夢実はわらび野中学の2年生。両親の海外出張を機に、全校生徒の憧れの的、天湖森夜(てんこもりや)の家に下宿することになり新生活がスタートします。
しかしこれが波乱の幕開け。天湖森夜の特異なるカリスマ性と光背の眩い光に、他人は容易に近づくことができないのですが、天湖森夜はそれを勘違い。自分はみんなの嫌われ者だと思い孤独な学園生活を送っています。私生活では小鳥や観葉植物とささやかな友情を育むミステリアスで大人しい少年。そんな彼と、星野夢見の淡い青春、そしてそこに学園のアイドル愛咲ルイ、夢実の恋敵である成金薫子、森夜の母ゆり子など、強烈な個性を持つキャラクター陣が加わり、エキセントリックな言動入り混じる壮絶なストーリーが誕生。まさに狂気の沙汰による抱腹絶倒の純愛青春劇場です。
連載当時は幼い読者層に「ゆめみちゃんをいじめないで」と、評判の悪かったゆり子ママですが、時を経て再会するとまた違った見え方も。
はじめての方も、お久しぶりの方も。さぁ、岡田あーみんの世界へ(原口)