商品名ポール・ヴァーゼンの植物標本
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1世紀の時を経てなお残る、花々のかすかな色。
フランスのとある蚤の市、フランス文学者である堀江敏幸さんは、机の端に佇む寂しげな黒い紙箱に惹かれ手に取ります。 箱を開けると、「Melle Paule Vaesen」という可憐な飾り文字と共に、美しい押し花が…。 「Melle」はマドモアゼルという意味。とすると、これはどこかのお嬢さんが作った植物標本ということになるのでしょう。 紙の状態から察するに、100年ほど前のもの。丁寧なプレス、驚くほど状態のいい可憐な草花は、スイスやフランスの高山で採取されたものとのこと。 1枚の白い紙の上、植物たちはそれぞれのポーズで美しく収まっています。 そんな、残された美しい植物標本とともに、ポール・ヴァーゼンという一人の女性のありし日の姿を想像し辿る、堀江さんの掌編と、95点にも及ぶ植物標本。 カバーにはグラシン紙を模した装丁で、とても可憐で美しい世界観の1冊です。贈り物にもおすすめです。 ・植物標本95点収録 ・採取地と学名、和名の索引付き
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