東京でクッキー屋・SAC about cookiesを営む桜林直子さん（サクちゃん）と、京都で文筆家として活動を行う土門蘭さん（蘭ちゃん）の、生活も職業も異なるふたりによる交換日記。
そもそも、友達とは何か。自由とは何か。唯一そこにありつづける不安と、自分を大事にすることとは。
日々を生きることにおける様々な事柄の「そもそも」に思案をめぐらせ、細やかな心の機微を捉えながらなだらかに綴られた1年分の日記を収録。離れ離れになってしまいがちな心と身体のこと。ふと何かを見失いそうになったとき、遠い未来を見据えて考え、安心できる土台と感覚を取り戻す。頭の中にあるものを「つくりだす」ときのこと、つい最近観た映画のこと、自宅での食事で思い出すこと…。誰しもが心のどこかに抱える「そもそもこれって？」というしずかな違和感と丁寧に向き合い、お互いから見える世界について語り合う、ひとつの日記文学であり、エッセイである一冊。粛然と佇む林檎の木の枝が描きだされた装画も印象的です。巻末に収録されているお二人による対談も、併せてご注目ください。