大阪・中津生まれ。インドの楽器「シタール」の奏者でもあり、料理家としての一面をも持つ石濱匡雄さんによるエッセイ。宝石店を経営する商売気のある母、15歳よりシタールを取得し、身近に触れてきたインド音楽とカレーと、それらと共に過ごしてきた日々のことについて。幼少期をはじめに、高校生活、インドでの生活を経て帰国までの、石濱さんを取り囲う「インド」という大きな存在を基盤としたパワフルでセンセーショナルな48のエピソードが関西弁で綴られています。
石濱さんの痛快な語り口に思いがけず共感したり、笑ったり、理由もなく救われる。気がつけばするすると引き込まれていく、評伝的で朗らかな一冊です。
【目次】
1:幼少期、大阪の中津で生まれた
2:近所のチャイ屋
3:昭和の純喫茶
4:ファミコンよりも電車
5:戦前生まれの商売人
6:テレビの中
7:石濱匡雄になった
8:字は書けないけど、絵は描ける
9:インド製マトリョーシカ
10:石浜病院は小児科じゃなかった
11:芸妓上がりのお婆ちゃん
12:祖父は留守でした
13:昭和の歌謡曲
14:「なぁママ?金捨てたな?」
15:楽器を始めた
16:札束ではたかれる健康法
17:近鉄に乗って1時間半
18:音楽活動
19:シタールで吹奏楽部入部希望
20:アメ村と奈良のパワースポット
21:数学のテストは感想文
22:インドに行く準備
23:高校生から見た初めてのインド
24:インド料理屋のバイト
25:バラナシとバナラシ
26:師匠ができた
27:引っ越しを決めた理由
28:灼熱のコルカタ
29:急に増えた家族
30:ベンガル語で石灰石って習ったらやめどき
31:日本人であった自分を捨てた
32:母の四柱推命とインド占星術
33:器用さだけでは追いつけない
34:あっさりした味も人もないんですよ!
35:お婆ちゃんが泣いてくれた
36:コルカタの美味しい食べ物
37:日本領事館から寝耳にチャイ
38:束の間の避難
39:コルカタでの人の出会い
40:家族って血縁だけが生むものじゃない
41:想像と違った社会人生活
42:追い求めたもの
43:シタール奏者で過ごす日々
44:人に感銘を与えるもの
45:カルカッタナイト
46:普通のシタール奏者
47:母からもらった舞台
48:インド音楽とカレーで過ごす日々