コラージュ作家・井上陽子さんの10年ぶりとなる作品集。
自分の好きなものを作ること、深く掘り下げること。本書のタイトルでもあるCa va, ca vient(サ・ヴァ、サ・ヴィアン)は、「往来すること」を意味します。制作を行う過程で「作品とは一体何なのか？」「自分は何を表現したいのか？」を問い続けてきた井上さん。多種多様な技法を試し、知らない国へと出かけ、さまざまな街を往来しながら目にし集めた様々な記憶と欠片たち。それらを自分の中で咀嚼し、濾過し、制作された10年間のドローイングやコラージュ作品を収録。井上さんが思うままに綴った日記のような、エッセイのような文章も心地よく、のびやかでありながらもたしかな静謐さを纏った一冊です。