エジプト、黄河、インダスと並び世界四代文明のひとつである世界最古の文明、古代メソポタミア。
メソポタミアとは現在はイラクの一部にあたります。ティグリス川とユーフラテス川の間の沖積平野であるこの肥沃な大地より、農業や楔形文字、天文学など実に様々な文明が誕生しました。そして、世界最古の文学作品である『ギルガメシュ叙事詩』もまた、メソポタミア文明から生まれました。
古代文学の傑作『ギルガメシュ叙事詩』のなかには、メソポタミアの食文化に関するヒントがたくさん隠れています。
本書は「12の書版からなる『ギルガメシュ叙事詩』その物語」、「舞台となった都市と旅の軌跡」、そして「メソポタミアの食」と、大きく3つのテーマにわかれており、非常に情報豊かな1冊です。
また後半のレシピですが、古代の書版とともに、お鍋やフライパン、オーブンなどで簡単に作れる28品のお料理が、エピソードとともに収録されています。王様だけが味わった豆の特製リゾット「ブトゥットゥムキシャーヌ」、古代メソポタミア風だし「ディリシャ」、古代の持ち運び用お弁当パン「クサープ」、古代の人々の健康ラテ「シズブ」、ごま油が香ばしいバビロニアの病みつきクッキー「クルップ」など、あとは古代の宴を始める意気込みだけ。いつもの食卓が、悠久の時を超えることでしょう。
巻末に付録として、食材リスト&入手方法がわかる頁がございます。(原口)