アメリカの絵本作家、アーノルド・ローベルがキャラクターに自分自信を投影し、それまでの人生経験や人生観を注いでつくりあげたという「がまくんとかえるくん」シリーズ。白黒のスケッチや手書きの修正、お話の原型が出来上がる前の構想ノートまで、完成までの試行錯誤のあとも含めて豊富な資料が紹介されています。
不遇な幼少時代を経て、あたたかい家庭と絵本作家としての地位を築き、チャーミングな人柄で多くの人々に親しまれ、人生の終盤に同性愛者であることを告白したローベル。ひとりぼっちがとても上手な「がまくんとかえるくん」が「alone together (ふたりきり)」を選んだわけを改めて問うように、お話の中に何層にも織り込まれた彼の思いを紐解く一冊。
「ふくろうくん」や「きりぎりすくん」等その他多数の物語や挿絵の紹介、また日本語版翻訳者・三木卓さんの解説も収録された決定版です。