独立研究者・森田真生。- - - - - - - - - - - - - - -
大学や研究機関に属さず、在野の研究者として、京都を中心に活動されています。〈数学〉を基盤に、哲学や歴史、様々な分野へ越境しながら、生命や心、環境や自然について、思考は展開していきます。30歳で上梓されたデビュー作『数学する身体』(新潮社)は、その年の、優れた評論・エッセイ作品におくられる小林秀雄賞を最年少で受賞。ふたりの偉大な数学者、岡潔とアラン・チューリングを対比させながら、「数学」のなかに存在する「身体」と「心」を追った、鮮明な論は、多くの人を魅了しました。
『数学する身体』から5年。- - - - - - - - - - - - - - -
チューリングが切り開いた「人工知能」の時代以前。フレーゲによる「人工言語」の創造の地点に立ち返り、計算と生命の関係の可能性を探る。「計算」という行為を人が操るようになるにつれ、意味を求める生命の思考は、無意味すら恐れぬ機械と雑(まじわ)り合っていく。計算は、生命の可能性を拡張していくのか。機械と生命の対立を越え、計算との新たな関係が形作る未来とは。先人たちが築いた壮大な計算の成立史に吹き込まれた生命の本質に迫る。渾身の論考、必読の一冊です。