この執拗な
何かの全てから
逃げて暮らしていきたい
静寂であるほどに
騒がしく思えてしまう
誰もが
宇宙の静けさを
望んでいるのに
どうすれば
無の世界へと
たどり着けるのか
ああ
まるごと
消し去って欲しい ―「voice of the wind」より一部抜粋
詩人30周年。高校の国語教諭の傍で詩作を行い、前作にあたる詩集『QQQ』にて萩原朔太郎賞を受賞した詩人・和合亮一。「今までにない詩集を目指して、丁寧に時間をかけて、新しい第3の文体ともいえる、1冊を生みだすことが出来ました」と本人が語る通り、シンプルで美しい造本に綴られた39の詩が、読者を新たな詩の体験へと誘います。