望遠鏡を覗くことが好きな少女チコ。ある日、そのチコの前にあらわれた「星」は、様々な言葉で彼女の心を揺さぶります。光よりも速いものとは? 近すぎて見えないものって? 「いま」ってなに? わたしは誰?...星とチコの問答は解けない謎を抱えたまま、読む者の心に永遠に残るでしょう。ひとつの星の姿を借りて精神の宇宙に読者を連れてゆくこの不思議な物語は、「ねずみくん」シリーズでも知られる中江・上野コンビのもうひとつの絵本世界。その漆黒の中に描かれた数々のモチーフに魅入られつつ、遠い宇宙、滅びゆく星に思いを馳せたくなる思考と詩情にあふれた一冊です。『ゆうやけのじかんです』と並んで、上野紀子の妖しく優美な黒装束の少女「チコ」が登場する今では数少ない作品でもあります。2014年に新装版として刊行。
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