商品名蔓延る脈 / 森夕香画集

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税込 8,000
(税抜¥7,273

商品番号 b_vis_des206

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若き日本画家、森夕香。
京都や滋賀を拠点に活動する彼女が、廃校となった小学校の校庭に息衝く植物たちを描いた私家版の作品集。銀杏、葛、藤、金木犀…。誰もいなくなった校庭、解体される運命を静かに待つ学び舎。変わることなく、その空間に蔓延る生命。つぶさな観察から描かれた植物の姿は、それぞれの特徴を掴み、彼女の身体を通じ感覚的に表現されています。

それぞれの作品に添えられた数行の言葉も欠かせない要素です。例えば、季節の移ろいや風のこと、蚊を払ったこと、幼少期のこと、絵を描くということ。観察、思考、浮かぶ記憶の断片が、随筆のように綴られており、絵による表現と相まって、鑑賞する者の感性、その輪郭を柔らかく拡張していきます。彼女の絵は、写実と抽象の間に屹立している。彼女の絵は、内と外の両面に向いている。体温を感じさせる表現の奥行きを、存分に堪能ください。

この作品集は、閉鎖後の「崇仁小学校」の教室で、2019年に開催された個展から生まれました。崇仁小学校は、2020年に解体され、現在は姿を消しています。今は存在しない空間、画家と植物の記録。限定部数制作の私家版であり、箔押しの表紙、印刷、造本の細部にも、徹底してこだわった一冊。静かな生の美しさが、見事に表現されています。一冊ずつ、直筆デッサン一点付き。

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一問一答。スタッフから画家に質問してみました。

Q.柔らかく、丸みのあるタッチは、日本画に共通するものですか?
それとも森さん独自のものでしょうか?


自身の絵が丸いタッチだと意識していなかったです。笑
植物の曲線を、リアルというより感覚的に捉えると自ずとそうなったのだと思います。

Q.抽象、具体。テーマによって、表現に至る思考の違いなどはありますか?

抽象的な絵にしようとは、あまり意識していなくて、その時、表現したい内容に合致するイメージを探している感覚です。なので、絵画も具体的になったり抽象的になったり、絵によって変わります。植物に関しては、作品描くぞ!というより、場所と自分のコミュニケーションの手段といった感じで、リサーチとか採集に近いかな。

Q.一年に及ぶ対話を経て、植物を観察するご自身の目に変化はありましたか?

植物を観察する目の、解像度が上がった気がします。植物に詳しくなったということではなく、そこに生えているものをみて、この土地ってこうなんだろうな、とか、ここは乾燥していて、あっちは湿っているとか、今はこの植物がすごい勢力だけど、来月は違うだろうなとか、植物が息衝く環境や時間に目が行くようになりました。

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森夕香
1991年生まれ。京都、滋賀を拠点に活動。身体をテーマにした抽象的なテーマや、動物をモチーフにしたイラストレーションなど、幅広く、絵と表現に向き合っている。

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「日本画」について
日本の伝統的な技法を汲む日本画は、「岩絵具」という鉱石を砕いた粒子状の顔料を用いて描かれます。和紙に顔料を接着するために用いられる「膠(にかわ)」は動物の骨などを煮出し、抽出したものです。主に自然に由来する画材をもって描かれ、あらためて表出する「自然」の姿は、他の画法に見られない美しさがあります。

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商品情報
著者森夕香
デザイン井上みなみ
サイズ132mm × 187mm
特典直筆植物デッサン一点
その他73p/ハードカバー/第二刷

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