京都市の北、一乗寺。この街を舞台に様々な事件が起こる。記憶喪失の花嫁、 別れざるをえなかった男女の悲劇、母の過去を追う娘…。本書には、そんな人生の機微を静かに感じさせるミステリ作品が4編おさめられています。そしてタイ トルの通り、その背景には必ず一軒の書店が存在しています。すべての作中に「緑色のドアの書店」として登場するのは、そう、我々恵文社一乗寺店。これらの作品は、本と書店を愛する京都在住のミステリ作家・大石直紀さんが当店からインスピレーションを得て執筆したとのこと。当店は、主人公の人生や記憶に必ず関わってくるという重要な役を務めています。長くこの地で営業していますが、まさかミステリの舞台となる日が来るとは…というのが正直なところながら、確かに本屋というのは一冊の本との出会いを提供する場であり、それゆえ日々人知れず何かしらのドラマが生まれてもおかしくない、そう思うとこの設定にもうなずけるものが。書店というささやかな場にスポットを当てつつも、サスペンスフルな物語も味わえる不思議なこの作品集。装画には、当店とも縁の深い関美穂子さんが見事な型染めで華を添えています。文庫オリジナル。
商品情報 |
著者 | 大石直紀 |
装画 | 関美穂子 |
発行 | 光文社(光文社文庫) |
サイズ | 110mm x 150mm |
その他 | 289P、ソフトカバー |