「街と山のあいだ」をつなぐ小冊子“murren”(ミューレン)。Vol.26は、個人的に旅してきた世界各国で出会った布や陶器の「模様」特集。祈りと共に織り込まれるアフガニスタンのキリムの絨毯、イスラミック幾何学がフリーハンドで描かれたモロッコのフェズ焼きの皿、古代の神話と民族の記憶を継承するラトビアのミトン、マリッジデザインと呼ばれる三角やダイヤの模様を編み込んだ南アフリカのズールーバスケット、農民の仕事着としてその暮らしぶりを思わせる青森の津軽こぎん、etc…。イラストやキャプションなども細やかに掲載しながら、抽象的で不思議な模様、ひとつひとつのパターンに存在する個別の背景を滋味深い小文とともにたどります。その由来や表現と出会い直すことで、より身近に感じられる模様の魅力。身の回りのモノへの愛着に端を発し、さまざまな文化や歴史に触れ、各国の人々にとっての身近な自然を知ることの学びと楽しみを実践的に示すイシュー。日々の暮らしのそばに置き、折にふれ読み返したい一冊です。