チェコ、ハンガリー、ルーマニア...旧東欧の雑貨に惚れ込み、追いかけ続けて20年。ガイドブックもない時代から通いつめ、蚤の市や文房具店を回ってきた、CHARKHA店主の久保よしみさんによる買いつけ旅を綴った珠玉のエッセイです。
”好き”の一心で「あの辺に行ったらあるらしいとか、聞き込みと勘を働かせ」、「紙の切れ端に書いてもらった地図を頼りに訪ね」る探求心。そして時には「ガラクタ」と称される品々から美を見出す確かな眼。きのこ雑貨、ガラスボタン、色あせた紙のノート...今ではすっかりCHARKHAの定番となった品々にたどり着くまでの道のりが見えてきます。
表紙カバーを除いて、本文には写真は一枚もありませんが、率直で飾らない言葉をたどるにつれ、現地の空気や人々の表情までありありと浮かんでくる、旅する一冊。