小さな女の子が開いたアルバム。そこに写るのは同じように小さな頃のお母さん。そしてさらにめくるとお母さんのお母さん、そのまたお母さんたちの姿が…。ファッションやインテリア、家族の形は時代とともにうつろうもの。でも変わらないのは空の青さ、おひさまの輝き。そんな、当たり前だけどとても大切なことに気づかされる現代の少女、そして写真の中の少女たちの姿を、杉浦さやかさんが優しく描きます。母から娘へのささやかながらも大きなメッセージが込められた愛すべきこの絵本。それぞれの少女時代へ思いを馳せながら、時の流れの中で残ってゆく確かなものへの眼差しを感じられる名作です。杉浦さんならではの細やかな愛情あふれる描写も大いなるみどころ。