難しいことは簡単に、簡単なことはより深く
島根県、木次。木次乳業の創業者、99歳の佐藤忠吉翁に聞く、子育てと人生の普遍的な知恵、心構え。新たに子どもを授かった著者の野津恵子さんが未来への漠然とした不安を持ちながら、たどりついた師は、自らを「百姓」と名乗るおじいちゃん。こちらは、幾度も彼の元を訪ねるなかで得られた教えを10+1の格言としてまとめた一冊です。
「2歳までに、暑さ・寒さ・ひもじさ・我慢を経験させなさい」「地球上の全ては関係性の中で成り立っている」「足るを知る」子育て、農業、共同体、学ぶ姿勢への提言。身の回りの年長者に教えを乞う、知恵を借りる。すこし昔の日本では当たり前だった、尊い光景がこの本にはひろがっています。静謐な中に、たしかな熱をもった爽やかさ。あまりに便利で複雑な世の中を、シンプルに生き抜くために。表紙、幕間の写真は「ジャパングラフ」を主宰する森善之。発行は松江の本屋兼ギャラリー「DOOR BOOKS」。