「パノラマ日本旅行」と題して日本全国津々浦々の「美味しいもの」を求めて編まれた本書。冒頭のグラビア、紹介の文章、レイアウトすべてにおいて、昭和40年代の香りが漂うノスタルジックさが素敵です。その郷愁の趣にさらに華を添えるのが、なんといってもイラストレーションを担当したすずき大和の魅力。表紙だけでなく、各章の扉も担当し、その一枚一枚の愛くるしさは本当に素晴らしい。食べ物本としても旅行本としても、そして「すずき大和本」としても楽しめる本書を2冊セットで。60年代の千趣会のセンスが活きた作品です。ダストジャケット小さなくすみやほつれ等あり、「東日本篇」の見返しに若干のページ割あり、それ以外にも経年によるくたびれはみられますが、おおむね古書として標準的な状態です。