ドアノーの第5作目の写真集、テーマは「子ども」。まっすぐにこちらを見つめる力強い表紙の眼をはじめとして、遊び、泣き、叫び、風に吹かれ、物思いにふける幼い姿。乳児から少年少女まで幅広い年齢の「小さな人」をとらえたこの一冊には、瞬間を切り取る写真家の眼と子どもを愛おしく思う大人の眼と様々なものが交錯します。戦後の影響もまだまだ色濃く残っていた50年代のヨーロッパの子どもたちの明るい表情。愛し愛され平和と命を謳歌する姿に打たれます。発行は日本が最初だったというこの写真集、訳には瀧口修造、デザインは原弘と顔ぶれも豪華です。こちらは古書となります。ページのくすみ、変色等経年によるくたびれは見られますが、概ね古書として標準的な状態です。