こちらはジュニア向けの小説集ですが、本の本といってよいのか、しかし図書館が舞台なだけに書物の香り豊かなユニークな作品であります。大学卒業後に体調を崩した主人公がリハビリをかねてちょっとだけと働き出した町の図書館。なぜか児童読書相談コーナーをまかされ、そこを訪れる少年少女たちの打ち明け話をこれまたなぜか聞くことに...。彼らの話は本とは直接関係ないながらも、図書館という静かかつ世俗からはある種切り離された空間だからこそ起こりうる秘密の共有は、どこか愛らしくもミステリアスで読者の興味をかきたてます。作者は「ルドルフとイッパイアッテナ」などで知られる斉藤洋。そしてカバー絵と挿絵を担当した森泉岳土えがく図書館の風景が、この本に独特の味わいを加えています。本が主役の空間で起こる不思議なお話集。
商品情報 |
著者 | 斉藤洋 |
絵 | 森泉岳土 |
発行 | 偕成社 |
サイズ | 135mm x 195mm |
ページ数 | 164P |
その他 | ハードカバー |