新しい病がはやり、新しい生活を始めなくてはならない。大人も不安、でも弱い立場の子どもはもっと不安。そんな子どもたちの気持ちを少しでも和らげ不安を取り除いてあげられたら…。そんな気持ちから生まれた優しい絵本が、おまじないを紹介する本書『つるかめつるかめ』です。作者は
『あそびうたするものよっといで』でも当店ではおなじみの中脇初枝さん。民話やわらべ歌に造詣が深く、同時に現在の子どもを取り巻く状況や問題を見据えた作品も多く発表している中脇さんならではの作品です。自身も「おくびょうでこわがり」とのこと。だからこそ今子どもたちに小さな勇気を与える言葉の魔法を届けたい、それがおまじない。気休めかもしれないけれど、でも口にするだけでもどこか気持ちが軽くなる気がする。言葉はきっと何かをくれる。この本でみられる以外にも「自分の力ではどうしようもないこと」が起こった時にに効く素敵なおまじないは全国各地にあるかと思います。昔から伝えられる言葉の力を信じて、明日を信じて、子どもたち、そして大人たちにもこの絵本を贈ります。あずみ虫さんの挿絵も本当に愛らしくいとおしい。