アフリカ・トーゴ共和国の布と京都の染色技術を生かした唯一無二のテキスタイルで服を作る、「AFURIKA DOGS」。アフリカ布と京都の職人技術をつなぐファッションブランドを起業した著者の奮闘を描くノンフィクションです。
学生時代、トーゴで目にしたアフリカの現状。地元金融機関に勤める中、営業先の染色工場で触れた、世界に誇る染色技術。グローバルとは何か、地域に根ざすとは何か。日本とトーゴを行き来しながら、服作りを通して未知の挑戦を続けます。
特筆すべきは、日本でのエピソードとトーゴでのエピソードとで本の天地が逆さになる仕掛け。本をぐるりと反転させて読み進めるトーゴのパートは、異国の地に足を踏み入れる不安と新鮮さ、はるか遠くのトーゴでの日々を追体験していくかのよう。
目先の成功を目指すのではなく、本当に届けたい人のために。未知の仕事に果敢に挑む姿には背中を押されます。生きること、働くこと、旅すること…挑戦する一歩を踏み出す勇気をくれる一冊。京都のひとり出版社、烽火書房より。