青森県西部、津軽地方の農村に暮らした女性たちの針仕事から生まれた、幾何学模様の刺し子「こぎん刺し」。その繍技は、趣味として、芸術として、生業として現代にも受け継がれています。実に多くの人がこぎんに魅せられ、きょうもどこかで刺している。そんなこぎん刺しの歴史を掘り起こし、一人ひとりの物語を訪ね歩き、その魅力を伝える”こぎん刺しの雑誌”。こぎんの故郷・津軽の出版社より年に1回発行されています。
第3号では、こぎんの再興と教育、こぎん刺しへの色彩の導入などで重要な役割りを果たした、故・工藤得子さんを特集。お弟子さんたちへの取材を通して、工藤さんの活動の軌跡と、お弟子さんに受け継がれた、こぎんの世界を紹介します。また2号の特集で紹介された、からむし織の山内久子さんのその後の取材や、「首都圏こぎん事情」、古作こぎんのコレクションを図案とともに紹介する「石田家archives」など、連載も充実の内容です。