ニューヨークを拠点に活動する写真家で、先駆的なフェミニストとして知られるBrianna Capozziによる写真集。タイトル「Well Behaved Women」は行儀の良い女性(直訳:よく躾けられた女性)という意味。作中にはまるでタイトルの女性像を揶揄するような、力強い意思を持った女性達のイメージが並びます。Brianna Capozzi と言えば、2015年にMarfa Journalの表紙でロブスターを局部に身につけたChloë Sevignyのヌードの写真が物議を醸したことで記憶する人も多いはず。カポッツィはヌードと着衣にそれほど大きな差があるとは考えておらず、ヌードを禁忌的なものとしてではなく一表現手段として、衣服を身に纏うことと同じように鮮やかに身体表現へと昇華させています。
本作ではカポッツィの母親を含め、Chloë SevignyやAerial East、Guinevere van Seenus、Hanne Gaby Odieleなど彼女と関わりの深い8人のミューズ達が登場。写真には彼女自身が女性に期待する、エネルギッシュで大胆な、それでいて親密なつながりを持った、ある種のシスターフッド的な連帯感を伴った女性観が色濃く反映されています。加えて、ストーリー性を感じさせるシチュエーション、動的な画面作り、洗練された色彩感覚…。これら全ての要素によって、シュールで官能的な彼女独自の世界観がつくりだされています。