“お腹がすくとわたしのお腹は強い雷のように鳴ってしまう。しかもときどきは人の言葉のような音で。この間は『東急ハンズ』って言ったんですよ、ほんとうです、信じて”
盛岡の小書店「BOOKNERD」が刊行した、盛岡の歌人・くどうれいんによる言葉と食をめぐる記録。その日食べたもの、美味しい食べ方を知ったもの、CMでみたもの、記憶の中。日記という枠をぴょんと飛び越えて、自らの内と外、過去と現在を行き来しながら、とびきり自由に綴られた文章。日常の豊かさ、過ぎ去るものへの切なさが、独り言のように響きわたります。改訂版には食を交えての対談が巻末に追加。版元意向により、増税後も税込1,000円、お値段据え置き。