13歳でコーヒーに目覚め、94年から20年以上にわたり珈琲焙煎人としてコーヒーと向き合ってきた中川ワニさん。本書は、そんなワニさんによるハンド・ローストとハンド・ドリップの手引き書。
長年の焙煎で培ってきたノウハウを、コンロとザルを用いて家庭でできる手焙煎に翻案したレシピや、ハンド・ローストした豆の旨味や生命感を引き出すためのハンド・ドリップの基本を丁寧に解説。また、レシピに至るまえのテキストでは、読みやすいパラグラフを設けながら、コーヒーと向き合うなかで育まれてきた「美味しさ」への意識、それぞれの土地の味の楽しみかた、混合焙煎やシティ・ローストなど独自の焙煎法で多くの支持を集める「中川ワニ珈琲」の考えかたなどがじっくりと語られています。日々の繰り返しから生まれた実感に即したその哲学は、珈琲に限らず、素材と向き合い調理することすべての基本となるような深度をそなえています。 調理工程やワニさん愛用の道具など、豊富なビジュアルの撮影は写真家の長野陽一さんが担当、アートディレクションは有山達也さん。
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