「イエペ」の写真家・石亀泰郎が魅了されたナポリのスラム街の子どもたち。危険だと反対されてもどうしてもカメラに収めたかったという子どもたちの表情は、自由と野生にあふれ、野放図な中にもなんともいえない愛嬌が見え隠れします。陰影に富んだ作品の端々からにじみ出る被写体と撮影者の信頼と友愛の関係。だからこそ、この裏町の子どもたちの姿はこんなにも生き生きとした笑顔に満ちているのでしょう。構成を担当した日下弘も驚くほどの石亀泰郎の人懐こさと被写体への愛情の深さから生まれた子ども写真の名作です。こちらは古書となります。ボール紙で出来た函はカスレが目立ちますが、本体は経年によるくたびれはありますが、概ね古書として標準的な状態です。