写真家・石川直樹がアラスカの最高峰デナリ登頂直後に訪れた、国内最東端の最涯ての地・知床半島。環境や植生、野生動物だけでなく、そこに暮らす人の雰囲気すら、どことなくアラスカを思わせます。無限の広がりを見せる流氷、河口で息絶えた巨大なクジラ。夏になると姿を見せる豊かな緑。私たちが抱いている漠然としたイメージを遥かに超え、知床の多様な自然のあり方を、ありのまま切り取った写真集です。ページが進み、巻末に向かうにつれて、そこに住む学生や家族のポートレートが多くなり、これまでの単調なイメージに留まらない知床の姿を写し出そうとする石川さんの思いがよく伝わってきます。こちらの写真集と対を成すように制作された、石川さん撮影の知床ブランドムック『SHIRETOKO! SUSTAINABLE』もぜひあわせてお楽しみ下さい。
457 石川直樹
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