チェコの画家ミルコ・ハナークが絵を担当した大変美しい作品。森の奥深く生まれた子鹿と森の動物たちとの暮らしが淡々と描かれていますが、そのにじむような淡いタッチ、落ち着いた色彩はハナークならでは。本書でもそのけして真似できないシンプルで端正な美が存分に味わえます。こちらはドイツ語版となり、タイトルは「小さな星」を意味しますが、文中にも子鹿の名前であるその小さな星を文字で書く代わりに赤い*マークであらわしていると思われる趣向が、このドイツ語版ならではのようです。その点も愛らしさとユニークさが感じられる一冊。本文に若干のシミあり、それ以外は古書として標準的な状態です。